NFT売却は譲渡所得?事業所得?雑所得?税金計算時の注意事項を解説
こんにちは!ししとう(@NFT_shishito)です。
NFT売却の時の税処理ってどうすればいいの?教えて!
そんな疑問を持つ方は多いと思います。
僕も全然わかっていませんでした…
だから記事にしました!
本記事では「NFT売却って結局、何所得なの?税金ってどう計算するの?」という疑問についてパターンに分けて解説します。
所得の種類によって計算方法も解説するのでぜひ最後まで見ていってください!
本記事を読めばNFT売却時にどんな税金がかかるのかについて知ることができます。
著者「ししとう」は税理士ではないため、個人の税金相談はできません。
「事例でわかる! NFT・暗号資産の税務」を参考に記事を書いていますが、現状、不透明な部分も多くはっきり書けないのが現状です。そのため、詳しい取引の判断については税理士の方にご相談ください。また、当ブログで公開しているスプレッドシートは個人向けに公開しているものであり、法人の方の計算方法とは異なります。予めご了承ください。
クリプタクトは仮想通貨やNFTの 損益計算ツール です。データをアップロードするだけで自動計算してくれるため、確定申告では必須のツール。税理士や公認会計士も認めるツール なので、実績は間違いなし!
NFT取引で税金が発生する6つのタイミング
そもそもNFTは売却時だけでなく、取引のタイミングで税金が発生します。
NFT取引では税金が発生するタイミングは下記の6つ。
売却時だけでなく、購入時や受取時 にも収益が発生すると税金がかかります。
これがほんとにややこしいんです…笑
今回は一番ややこしい③の売却について次の章で解説します。
③以外については下記記事で詳しく解説していますのでチェックしてください。
NFT売却は雑所得?譲渡所得?事業所得?
NFT売却時の所得区分は状況によって変わります。
売却時の所得区分を判断するためのフローチャートはこちら。
上記のフローチャートを参考にすれば確定申告時の所得区分が分かります。
ただ、NFTに関する税制度はまだ確立されていないため、判断に迷う場合は「税理士に個別相談」する必要があります。
次の章では各所得区分についてもう少し具体的な条件を追加して説明します。
趣味程度なら譲渡所得
NFTを売却する場合、事業目的ではない場合は譲渡所得となります。
趣味程度ってどのレベル?
どこからが事業目的ではなく「趣味程度」という扱いにすることができるのか?
具体的に「年に○○回以上、○○円売却したら事業扱い」といったような定義はありません。
しかし、『事例でわかる! NFT・暗号資産の税務』では下記のように記載されています。
譲渡所得と、事業所得又は雑所得の分かれ目では、その資産の譲渡回数、数量、取引金額、資金繰りや広告宣伝の方法などを総合的に考慮して、営利目的で継続的に行っているのであれば、事業所得又は雑所得と判断されます。
参考:事例でわかる! NFT・暗号資産の税務
ポイントは「ちょっとした小遣い稼ぎ」なら譲渡所得として扱っても問題ないということ!
NFT売買で利益を拡大していこうという意思があるかどうかですね!
譲渡所得の計算方法
譲渡所得は、他の種類の所得よりも税負担が小さくなるのがポイントです。
- 最大50万円の特別控除
- 損失を他の種類の所得と相殺可能
- 5年を超える資産を譲渡した場合、課税対象が半分
具体例を示すと・・・
- NFTを 1.0ETH で購入(20万円/1ETH)
- NFTを 2.0ETH で売却(30万円/1ETH)
上記取引を譲渡所得の計算式に当てはめると
譲渡所得 = 収入 – (取得費 + 譲渡費用)- 特別控除(最大50万円) となるため、
60万円 – 20万円 – 50万円 = -10万 のため、非課税となります。
さらに5年を超えるNFTの販売については「収入 – (取得費 + 譲渡費用)」が半分 となるため、さらに課税対象は少なくなります。
NFTはガチホすればするほど税金が安くなるということですね!
1個30万円以下の取引は非課税というのは?
例えば、個人が実物絵画を譲渡した場合、その絵画が30万以下だった場合は非課税となる可能性があります。
この考えに基づいて、実物絵画をNFT化した場合は同じように規定が適用されると考えるのが妥当です。(『事例でわかる! NFT・暗号資産の税務』では上記見解を支持。)
しかし、デジタル絵画やデジタルコンテンツをNFT化して譲渡するのはまた別の話。現状では30万以下のNFT譲渡は非課税という考えが認められないというのが正しいでしょう。
事業所得と雑所得の判別方法
では譲渡所得ではない場合、事業所得か雑所得になりますが、その違いはどうやって判断するのでしょうか。
この判断については副業300万円問題が関わってくるので、絡めて解説します。
副業300万円問題とは
「主たる所得以外の所得年収が300万円以下なら雑所得」と国税庁が発表したことをきっかけに、「政府の副業推進に逆行している」などの意見が約7,000通も寄せられ、所得税について再改正が行われました。
≫【参考】「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)
(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について|国税庁
改正案で抑えておくべきポイントは下記の通りです。
- 社会通念上の「事業」とみなせるか
- 帳簿がない場合は雑所得
- 帳簿があっても本業の10%未満は雑所得
詳細については下記動画で詳しく解説されているので、参考にしてください。
事業所得にしたければ本業の10%を超えましょうということ!
青色申告をするためにも10%という基準は超えなければいけませんね!
副業ではない場合
副業として活動している方ではない場合、事業所得とするか、雑所得とするかは総合的な判断になります。
- 営利性はあるか
- 反復・継続しているか
- 資金調達はどのようにしているか
- 収益の状況はどうか
等々の質問から総合的に判断して、事業所得かどうかが決まります。
雑所得の計算方法
- 本業の10%未満の収入
- 帳簿を付けていない収益
- 事業所得として認められなかったもの
の場合は「雑所得」となるわけですが、雑所得はどのように計算するのでしょうか。
雑所得も経費の計上が可能なため、雑所得 = 収入 – (取得費 + 経費)で計算します。
- NFTを 1.0ETH で購入(20万円/1ETH)
- NFTを 2.0ETH で売却(30万円/1ETH)
- セミナーや書籍で経費1万円
上記取引を雑所得の計算式に当てはめると
60万円 – (20万円 + 1万円) = 39万 となります。
雑所得の場合は本業の給与所得と合算されるので税率に注意が必要です。
事業所得の計算方法
- 本業の10%以上の収入
- 帳簿を付けている収益
- 事業所得として認められたもの
の場合は事業所得として認められます。
計算方法は雑所得と同じく 収入 – (取得費 + 経費)で計算しますが、事業所得となる場合は下記の恩恵を受けることができます。
- 他所得との損益通算
- 青色申告特別控除
- 青色事業専従者給与
- 純損失の繰り越し控除、繰り戻し還付
- 30万未満の少額減価償却資産の特例
詳しく知りたい方は下記記事がおすすめです。
どうしても事業所得については総合的に判断する必要がありますので、不明点がある場合は税理士さんへ相談することをおすすめします。
自分に合った税理士が見つかる
確定申告ではどうすればいいの?
確定申告時にNFTの売却益を申告しますが、所得区分ごとに計算した結果を申告します。
ただし、申告方法は下記の注意が必要です。
- 譲渡所得や雑所得
→計算結果を他の収入と合わせて申告 - 事業所得
→事業所得欄で申告
参考にした資料
本記事を作成するにあたって、参考にしたサイトなどを紹介します!
- 参考にしたYouTube
- ≫ 仮想通貨の税金チャンネル
≫ 【生放送】NFTと税務、どう税金計算すれば良いか?|#CONNECTV : コネクTV - 参考にしたサイト
- ≫ 国税庁(暗号資産に関する税務上の取扱いについて)
≫ 仮想通貨課税タイミング
≫ NFTの税務(売却益は雑所得か?)
≫ 副業300万円問題、国税庁が大幅修正!帳簿があれば事業所得
≫NFTに関する税務上の取扱いについて - 参考にした書籍
- ≫ 事例でわかる!NFT・暗号資産の税務
書籍は圧倒的に下記がおすすめです!
事例が細かく書かれているので、辞書代わりに使えるのもポイントですね!
NFT売却は譲渡所得?事業所得?雑所得?|まとめ
今回はNFT売却によって発生する所得が何所得になるのかについて記事を書きました。
ポイントは下記の通り。
ただし、NFTの税務についてはまだまだ整備されていない箇所もあるため、どうしても判断に困る場合は税理士さんへ相談してくださいね。
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それではここまで読んでいただきありがとうございました!