仮想通貨・NFTの確定申告方法【副業の確定申告のやり方を解説】
こんにちは!ししとう(@NFT_shishito)です。
仮想通貨を持っていると「税金ヤバい。確定申告ヤバい」というコメントをよく目にしませんか?
僕もそのコメントに脅され、税金や確定申告をめちゃくちゃ調べました。笑
実際に調べてみると暗号資産の確定申告は大きく4つのステップに分けられます。
\ 仮想通貨(暗号資産)の確定申告👇 /
一番大変なのがStep1と2。有料ツールでも使わない限り1日仕事になると思っておいた方がいいです…笑
そこで、今回は副業をしている人のために、仮想通貨の確定申告の方法についてステップに分けて解説していきます。
※副業をしている方が対象なので、個人事業主は少し方法が異なる場合があります。
著者「ししとう」は税理士ではないため、個人の税金相談はできません。
「事例でわかる! NFT・暗号資産の税務」を参考に記事を書いていますが、現状、不透明な部分も多くはっきり書けないのが現状です。そのため、詳しい取引の判断については税理士の方にご相談ください。また、当ブログで公開しているスプレッドシートは個人向けに公開しているものであり、法人の方の計算方法とは異なります。予めご了承ください。
クリプタクトは仮想通貨やNFTの 損益計算ツール です。データをアップロードするだけで自動計算してくれるため、確定申告では必須のツール。税理士や公認会計士も認めるツール なので、実績は間違いなし!
1:取引履歴の整理
まずは取引履歴を整理します。
仮想通貨取引で整理しなければいけないものはざっくり下記の通り。
- 仮想通貨取引所の売買データ
- 取引所の取引手数料
- レンディングサービスの受取データ
- メタマスクなどのウォレット内の取引データ
(NFT売買含む) - ETHでのガス代
取引がある口座全て、使っているウォレット全てで整理するので多すぎますよね…
①②については利用している取引所からCSVデータで出力可能です。③についてはレンディングサービスの受取履歴から、④⑤は EtherScan というサービスで取引を取得することができます。
ちなみに④⑤については下記ツイート元のサービスもかなりおすすめです!
【作ったツールの紹介】
— en(エン) 🅽🅵🆃 & hack the 💻 world (@engr5050) September 30, 2022
Payment History(Ethereum) をリニューアルしました☀️
✅ ❤️ NFT以外の取引も可能な限り表示
✅ ❤️ 最大1,000件
✅ 当時のETH/JPYで換算
✅ CSVダウンロード可能
✅ ウォレット接続なし
🔗 https://t.co/wyNR5Q2W5m
☀️お気軽にお試しください☀️ pic.twitter.com/Xx3QgpeFa5
これらを全て取得し、スプレッドシートや クリプタクト などの損益計算ツールに連携する必要があります。
とにもかくにも売買や受取など仮想通貨に関わる取引を全て把握する必要があります!
ここまで準備しないと正確な確定申告はできないと思っておいてください!
ちなみに損益計算ができるスプレッドシートは当ブログで公開中です!
スプレッドシートのイメージ👇
2:損益計算(所得区分ごとに計算)
取引データを取得すると所得区分ごとに利益を計算します。
仮想通貨取引で関係する所得区分
仮想通貨取引によって発生する利益は 全て雑所得 に区分します。
仮想通貨取引による損益例はこちら
- 仮想通貨売買の利益
- 仮想通貨交換時の利益
- レンディングによる利息
レンディングによる利息も忘れがちですが雑所得です!
全ての取引履歴を整理してから、仮想通貨取引による利益を求める必要があります。
損益計算については クリプタクト のような損益計算ツールを使うことで損益を瞬時に計算してくれます。取引所のデータを取り込むだけで、自動で損益計算してくれるからめっちゃ楽です。笑
ただし、NFT取引も行っている場合は有料プランとなるので注意が必要です。
年間取引件数に応じて、利用できるプランが変わるので興味があれば料金プランを見てもいいかもですね!
→ クリプタクトのHPへ
筆者は自前のスプレッドシートで管理
クリプタクトは便利ですが、NFT取引を行っている方にとっては 年額55,000円のプラン でないとウォレット内データを取り込むことができません。さすがに高い…と思ったので、僕は自前のスプレッドシートで仮想通貨取引とNFT取引を全て管理しています。クリプタクトとの誤差も数円程度でしたので、問題なしと判断して使ってます。笑
≫ スプレッドシートはこちら
また、クリプタクトでは少しアナログの作業が入りますが、年8,800円で損益計算する方法もあります。全自動ではないですが、スプレッドシートよりは簡単にできるのも特徴です。
≫ クリプタクトで損益計算する方法とは
NFT取引で関係する所得区分
ややこしいのがNFT取引の損益ですね…
NFT取引で税金がかかるポイント
NFT取引では発生した利益に対して、上記のイメージに従って所得区分ごとに求めます。各取引の計算方法については下記記事で詳しく解説しています。
≫【関連記事】NFT取引で税金がかかるタイミングとは?
ちなみに僕はNFTの取引も同じようにスプレッドシートにまとめており、売却分だけは別管理で表にまとめています。
表を作ってしまえばだいぶ楽です!
NFT損益計算時のややこしいポイント
NFTの損益を計算する上で重要なポイントを3つ解説します👇
- ✅NFT売却は譲渡所得になる
-
譲渡所得は50万円の特別控除があるので、売却益が50万円以下 の場合は所得に含める必要がありません。
≫【関連記事】NFT売却は譲渡所得?事業所得?雑所得? - ✅Giveawayは贈与税の対象
-
NFTをGiveawayで受け取った場合は、一時所得になります。ただ、贈与税の対象でもあるため、110万円以下は非課税 となり、確定申告不要です。貰いすぎには注意 ということですね。
- ✅本業の10%未満は事業所得として認められない
-
事業所得か雑所得か。考えが分かれるところですが、副業所得が本業の10%未満の場合は雑所得 と区分するのが分かりやすいです。これは副業300万円問題によってネット上で話題になり、再改正された結果です。
下記記事では副業300万円問題にも触れていますので、参考にしてみてください。
≫【関連記事】NFT売却は譲渡所得?事業所得?雑所得?
ほんとにややこしすぎる…
僕は本業の10%も収入がないので2023年は雑所得で申告します!
(補足)経費の集計
確定申告では経費の申告が可能です。所得 = 売上 – 経費 となるので、経費として計上できるものは領収書などを管理しておきましょう。(提出義務はありませんが保存義務はあります。)
原則として5年間の保存が必要と言われています。
経費に計上できるのは「業務上必要かどうか」と認められるか。具体的には下記の例があります。👇
- ガス代や手数料
- 勉強のための書籍
- NFTや仮想通貨セミナー
- 副業専用のPC等
副業を学ぶために入ったオンラインサロンの入会費なども経費計上できます。確定申告前に経費金額を把握して、確定申告に備えましょう。
領収書が貰えない場合はどうすればいいの?
レシートやクレジット明細も証明書として扱うことが可能です。ただし、レシートであれば
- 領収書の作成者の氏名又は名称(会社名など)
- 取引年月日
- 資産又は役務の内容
- 対価の額
が記載されていることとが条件となっており、クレジット明細を利用する場合は 商品名がしっかりと把握できるか がポイントになります。
3:確定申告
ではここからは確定申告の方法について解説していきます。
確定申告が必要な人
副業で確定申告が必要な人は下記の方です。
- アルバイトなどの給与所得が20万円を超えた人
- 副業の所得(売上 ー 経費)が20万円を超えた人
ただし、ふるさと納税 などでそもそも確定申告をする場合は20万円以下の場合でも申告する必要があります。
確定申告しないと・・・
もし確定申告しないといけない人が申告しなかった場合、下記のペナルティが発生する可能性があります。
- 15%~20%の「無申告加算税」の支払い
- 7.3%~14.6%の「延滞税」の支払い
確定申告に必要なもの
確定申告に必要なものは下記の通り。
- 本業の源泉徴収票
- 1年間の収入と経費が分かるもの
(提出義務なし) - パソコン or スマホ
- マイナンバーカード
(あったら便利)
電子申告をする場合はマイナンバーカードがあれば、自宅からでも確定申告ができちゃいます。
マイナンバーカードがある方はぜひとも活用してください!
確定申告の方法について
準備ができたら早速確定申告!
確定申告には下記4つのパターンがありますが、今回は一番簡易な白色申告の方法を紹介します。
申告方法 | 白色申告 (控除0) | 青色申告 (10万円控除) | 青色申告 (55万円控除) | 青色申告 (65万円控除) |
---|---|---|---|---|
申告条件 | なし | 開業届 青色申告承認申請書 | 開業届 青色申告承認申請書 | 開業届 青色申告承認申請書 |
申告方法 | 窓口で提出 郵送 電子申告 | 窓口で提出 郵送 電子申告 | 窓口で提出 郵送 電子申告 | 電子申告 |
帳簿 | 簡易簿記 | 簡易簿記 | 複式簿記 | 複式簿記 |
提出書類 | 確定申告書 | 青色申告決算書 確定申告書 | 青色申告決算書 確定申告書 | 青色申告決算書 確定申告書 |
国税庁の確定申告書等作成コーナーから作成しよう
確定申告書は「確定申告書等作成コーナー」から作成できます。
具体的な方法については下記記事で解説しているので参考にしてください。
≫【スマホ版】確定申告の方法を画像付きで解説
動画でも解説しているのでぜひチェックしてみてください!
4:納税
確定申告書の提出が終われば、残るは納税ですね。
納税の方法は下記があるため、自信で選択し、納付手続を行います。
- 口座振替
- e-Taxで納付
- クレジットカードで納付
- コンビニエンスストアで納付
- 窓口で現金で納付
国税庁のサイトにも詳しく書かれているので、チェックしてみてください。
≫【参考】納税の方法|国税庁
本記事作成にあたり参考にしたもの
- 参考にしたサイト
- ≫白色申告の記帳方法について徹底解説!|税理士ナガイ
≫ 【白色申告】帳簿を付けないと罰則を受けるのか?|税理士ナガイ
≫ 【確定申告】仮想通貨の所得を中心に、画面を見ながら申告方法についてご紹介! - 参考にしたYouTube動画
- ≫ 国税庁(暗号資産に関する税務上の取扱いについて)
≫ 仮想通貨課税タイミング
≫ NFTの税務(売却益は雑所得か?)
≫ 副業300万円問題、国税庁が大幅修正!帳簿があれば事業所得 - 参考にした書籍
- ≫ 事例でわかる!NFT・暗号資産の税務
≫ フリーランス税本|大河内薫
大河内先生のフリーランス税本は圧倒的におすすめです!
確定申告の方法だけでなく、税金周りのこともわかるのでフリーランスだけでなく副業者にとってもおすすめです。
よくある質問
- 会計ソフトは導入した方がいいの?
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青色申告特別控除の55万円を受けるためには複式簿記で帳簿を付ける必要があります。簿記の知識なんてないよ・・・という方でも安心して帳簿を付けることができるのが会計ソフトです。会計ソフトは1万円程度お金がかかりますが、特別控除を受ける金額を考えたら余裕で元が取れます。
おすすめの会計ソフトは「やよいの青色申告」か「マネーフォワードクラウド会計」です。
※税理士の大河内先生のおすすめソフト! - 開業届って出しておいた方がいいの?
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収入が増えていく見込みのある方は開業届を出して、青色申告を出した方がメリットが多いです。また、青色申告では10万円以上のPCなども一括で経費にできますが、白色申告の場合は減価償却と言って数年かに分けて経費申告をする必要があります。個人的には青色申告できる条件が整っているなら申告すべきと言えます。
- 開業届を出さないと青色申告はできない?
-
はい、青色申告をしたければ開業届を出すと同時に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
※e-taxより自宅で提出可能です。 - 経費に上限はある?
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経費に上限はありませんが、税務調査によって、領収書がない場合やレシートがない場合、事業の経費として認められない場合はペナルティが課せられます。
仮想通貨・NFTの確定申告方法|まとめ
今回は仮想通貨の確定申告方法について解説しました。
確定申告の手順はこちら
ほんと損益計算だけは早めにやっておいた方がいい…笑
確定申告だけに関しては意外と簡単です。なぜなら損益を入力するだけですからね。大事なのは損益計算するところ!
早めに準備して、確定申告の不安を取り除きましょうー!